精神

精神 
2008年
想田 和弘(監督・撮影・編集)

観察映画第2弾。

精神病院、というか診療科にくる患者さんと、医師との会話、患者同士の交流、ヘルパーさんとのやりとり、監督自身とのコミュニケーション、それらを淡々と進めて行くというまさに観察映画。

躁うつ病、統合失調症など、さまざまな「精神の病」のヴェールの向こうで、生きる人々の、彼等の言葉は時に重く、時に自分で原因がわかっていながらどうしようもなく、時にナイーブすぎて、だからゆえの「いま」があることがわかる。

僕と彼らとの差はないに等しい。どちらかというと僕のほうがよほど鈍感で、よほど偽悪的で、偽善的で、よほど軽く生きている。同じように悩みがあったとしても、目を閉じて、適当にやり過ごしている。

どっちが正しいか、ではない。どっちが病か、でもない。

ただ観察する、話を聞く、ということ。自分の気持ちをどこかにぶつけられること、それがすべての人間にとって大事なことであり、それを必要な時期に、(もしくは、追い詰められる前に)その手が差し伸べられたかどうか、そのタイミングの些細な差が、こんなにも分厚いヴェールになっていたのか、と思うとなかなかぞっとするし、そうと気付けたことが、ありがたくも、またこの映画の肝なのかもしれない。

ラストの詩の朗読のシーンのナイーブさ、明日のわからなさに戦慄と感激を覚えました。
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by nariyukkiy | 2010-11-28 22:45 | sunday people | Trackback | Comments(0)
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